日本では、大麻といえば「危ない」「違法」「犯罪」というイメージが根強いです。しかしアメリカの一部などの先進国では、CBDオイルや大麻を使った医療が非常に発達し、人々の生活を助けています。今回は医療大麻にフォーカスし、知識を深めるのに役立つ映画をご紹介します!

CBD Nation

こちらはアメリカで製作された、実際に医療大麻で病気や症状が改善した人を取り上げたドキュメンタリー映画です。キャストとして医師や大学の研究者など、多数の専門家が登場します。

そして患者としてスクリーンに現れるのは、精神疾患患者、がん患者、てんかん患者、退役軍人のPTSD患者といった方々。彼ら自身と彼らを支える家族がいかに苦しみ、そしていかに医療大麻に救われたかが赤裸々に語られます。

上映時間は1時間21分と短めですが、医療大麻にまつわる問題や偏見取り扱った重厚な作品のため、隙間時間で軽く見るというよりもしっかりと向き合いたい作品。

ちなみに、カリフォルニアで製作された本作品が日本で上映される運びとなった裏には、社団法人Green Zone Japanという、日本での医療大麻の導入を求める団体の活躍がありました。本作を観て医療大麻に興味を持った方は、こちらの活動をチェックしてみるのもおすすめです。

Weed The People 〜大麻が救う命の物語

公開時には立ち見が出るほど注目度が高かったのが、『Weed The People 〜大麻が救う命の物語』です。先ほどご紹介した『CBD Nation』同様、ドキュメンタリー映画となっています。

本作で登場するのは、5人の小児がんの子供たち。彼らの痛みや苦しみが、医療大麻によって和らぐ様子が描かれています。登場するのは、マラ・ゴードン。彼女はアウント・ゼルダという医療大麻のデベロッパーを創設した方で、アメリカの医療大麻界隈では有名人です。

そのほかにも医師や専門家がそれぞれの見地からエビデンスに基づいた医療大麻についての見解を発言しており、非常に良質なドキュメンタリーになっています。患者の子供たちのつらさが和らいでいる様子を見ていると、将来、自分や自分の家族が同じように病気で苦しんでいるとき、同じように医療大麻で救ってあげたいという気持ちになるかもしれません。

麻てらす〜よりひめ 岩戸開き物語〜

最後にご紹介するのは、『麻てらす〜よりひめ 岩戸開き物語〜』という日本の作品です。本作は、山本正光さんという癌患者の方を追ったドキュメンタリー作品になっています。

彼は肝臓癌を患い、日々大変な痛みや苦しみを味わっていました。そんなときに出会った大麻によって苦しみは緩和され、さらに腫瘍マーカーが下がるという効果も出ていたのです。しかし、日本での大麻所持・使用は法律で禁止されています。山本さんは大麻の所持をとがめられ、逮捕されてしまいました。

そんな彼が、どのような人生を生き、どのように大麻とかかわっていたのか。ドキュメンタリー映画監督の吉岡敏朗さんが、その様子をカメラに収めました。

本作には『麻てらす番外編 〜やまさん 余命半年の挑戦』という番外編もあるので、もし気に入ったらこちらも合わせて鑑賞してみてください。

映画から医療大麻を理解しよう

日本では医療目的であっても、大麻の利用は禁止されています。そのため、もちろん本記事も今すぐ大麻を国内で所持・使用することを勧めているわけではありません。しかし、こうした映画をきっかけに「なぜダメなのか」を考えるのは良い機会でしょう。

オランダ、ベルギー、イタリア、ドイツ、イギリス、スペイン、ポルトガル、アメリカの一部などでは利用されている大麻が、なぜ日本では使用できないのか。大麻賛成派の方も反対派の方も、ぜひ一度これらの作品を鑑賞してみてください。