あらゆる生物が生きるうえで、睡眠は必要不可欠な要素です。しかし、現代に生きる日本人の多くは何らかの睡眠障害を抱えていると言われています。今回の記事では、睡眠不足がもたらすあらゆる弊害について見ていき、それを改善する一つの方法としてCBDを提案していきます。
睡眠不足は健康の点滴
睡眠不足になると、体の不調を引き起こしてしまいます。
疲労の蓄積
良い睡眠がとれていないと、どのようなデメリットがあるのでしょうか。まず一つには、疲労が取り除かれないことが挙げられます。睡眠の状態には、レム(REM:Rapid Eye Movement)睡眠とノンレム睡眠の2種類があります。
レム睡眠は文字通り、眼球が動いているのが特徴で、夢を見ていることが多い時間帯です。ノンレム睡眠であるステージIからステージIVとレム睡眠を周期90~110分で反復し、このノンレム睡眠時に放出される成長ホルモンが、ダメージを受けた心身の修復・再構成を行います。
また睡眠は、ただ身体を横にして休ませるだけでなく、脳の疲労を回復させる時間でもあるのです。人間は起きているとき、五感をフルに活用して生活を送っているので、自覚していないところで脳に疲労が蓄積していますが、そうした脳の疲労は睡眠によってのみ取り除かれます。ですから、十分な睡眠がとれていないと、心身が休まらず、負担をかけることになります。睡眠時間が短い人は寿命が短くなるという統計もあるほどです。
記憶力の低下
睡眠は、起きていた時に経験した物事を脳内で整理し、定着させる時間でもあります。ノンレム睡眠時にその日の体験・感情を整理し、レム睡眠時に記憶として定着させるリズムです。
まとまった睡眠時間が取れないと、不要な情報や感情が処理されず、必要な記憶が整理されないまま、注意力散漫になってしまいます。
肥満になりやすい
睡眠中には、「レプチン」と「グレリン」という二つのホルモンが分泌されます。レプチンは「満腹ホルモン」と呼ばれ、脂肪細胞が分泌する、食欲を抑えるホルモンです。グレリンは「空腹ホルモン」と呼ばれ、胃で作られる、食欲を増進させるホルモン。どちらも食欲をコントロールするホルモンですが、十分な睡眠がとれていないとこのホルモンバランスが崩れてします。
つまり、満腹ホルモンのレプチンの分泌量が減少し、空腹ホルモンのグレリンが増加することで、無駄に食欲を発生させてしまうということです。夜更かししているとやたらと高カロリーの物が食べたくなる経験は皆さんもあるのではないでしょうか。このように、睡眠不足はダイエットの天敵でもあるわけです。
また、不規則な睡眠によって生体リズムが崩れると、糖質コルチコイド(副腎皮質ホルモン)の過剰分泌によって血糖値が上昇し、生活習慣病を発症するリスクも高まります。
肌質の劣化
睡眠が足りていないと、肌の劣化も促進してしまいます。起床して光が目に入ってから14~16時間後に脳の松果体から分泌される「メラトニン」は、睡眠ホルモンと呼ばれ、心身をリラックスさせて睡眠に促す働きを持っていますが、それと同時に、身体をさび付かせない強い抗酸化力を持っており、その効果はビタミンCやビタミンEを上回るとも言われています。
また、メラトニンが促し、熟睡しているときに分泌される成長ホルモンも、日中に浴びた紫外線によるダメージを修復・再生し、新陳代謝による肌のターンオーバーを促進するため、お肌のアンチエイジングのために重要なホルモンです。
ストレスが解消できない
寝る前は憂鬱な気分だったのに、一晩寝たらさっぱりした経験はありませんか。睡眠によって脳内の疲労が取り除かれ、その日の出来事の記憶が整理され、内分泌系のリズムが整えられるなどして、ストレスも解消されていきます。
反対に、睡眠が足りていないとストレスが溜まり、ストレスによって発生するコルチゾールが脳の海馬を委縮させ、抑うつ状態をもたらすリスクが高まります。起きているときは交感神経が優位になり、脳が緊張状態を保ち続けるため、精神的な疲労が脳の活動性の低下にもつながるのです。
質のいい睡眠とは?
このように、健康的な生活を送るうえで睡眠は必要不可欠な要素であることが分かっていただけたでしょう。注意したいのは、睡眠時間が足りていれば十分な睡眠がとれているというわけではないということ。
重要なのは、睡眠の段階が、脳と身体が最も休まっている状態(ノンレム睡眠)にしっかりと至っていること、それによって成長ホルモンが分泌されていることです。
厚生労働省の資料で示されている「睡眠の質」の評価指標としては、「規則正しい睡眠・覚醒のリズムが保たれていて、昼夜のメリハリがはっきりしている」「日中に強い眠気を感じたり、居眠りをすることがない」「睡眠中、途中で覚醒することが少ない」「朝、すっきりと目覚める」「寝床についてから、長い時間をかけずに入眠できる」などがあります。
睡眠の質を高める方法としては、「毎朝、日光を浴びて、体内時計をリセットする」「睡眠や入浴、食事を決まった時間に取る」「適度な運動を取る」などが一般的です。
注目を浴びているCBD
生活習慣を改善することが睡眠不足を解消する基本的な方法ですが、何らかの理由によりそれが難しい方にとっては、CBDが解決策になるかもしれません。
CBD(カンナビジーオール)とは、植物のヘンプ(麻)に含まれる成分の一種。CBDの健康効果・パフォーマンス向上・リラックス効果などが世界中の科学者や医師によって研究されており、アスリートや女優・モデルなどの間でも注目を集めています。
日本では違法の大麻と同一視されがちですが、その安全性はWHO(世界保健機関)が認めています。早稲田大学睡眠研究所(早稲田大学スポーツ科学学術院准教授、精神科専門医、睡眠医療認定医 西多昌規氏)が株式会社DropStoneと協同して日本製CBDブランド「Greeus(グリース)」のCBDオイルでの睡眠効果の臨床試験を行うなど、研究が進められています。
不眠症に苦しむ方にとって効果的であるとして近年評判なのが、CBDオイルによる不眠療法です。先行研究によると、カンナビジオール(CBD)はレム睡眠を促進し、かつ日中の過度な眠気を軽減するなど、健康的な生活リズムを整えるうえで有効な働きをすると言われています。
そのうえ、CBDオイルはリラックス効果をもたらし、ストレスを軽減するため、不安神経症などを原因として不眠に悩まされている人にも効果的です。
CBDによって睡眠の質を高める
以上、睡眠の質の重要性、そして睡眠とCBDの関係について見ていきました。不眠は深刻なリスクを伴う一方、一度悪化するとなかなか治りづらいと言われています。睡眠不足が改善されず悩まれている方は、CBDを考えてみてはいかがでしょうか。