麻に含まれる「カンナビノイド」の主成分であるCBD(カンナビジオール)は、ストレス緩和や鎮痛作用、神経を落ち着かせるリラックス効果など、さまざまな生理活性作用を持っていることから、近年、美容界や医療界など多方面で注目を浴びている成分です。

CBDの本場アメリカでは爆発的な勢いを見せており、2019年1月の全米の調査によると、CBDを試したことがあるアメリカ人は6400万人に及び、アメリカ人口の4分の1以上という数字です。

その一方、日本では市場が拡大しつつも、まだまだ普及はしていない状況。あなたの周りで実際に使用した方の声をきくこともないのではないでしょうか。

今回の記事では、興味を持っているけど周りで誰もやってないし……と手を出しあぐねている方のために、日本でのCBDの使用状況を調べてみました。

日本のCBD利用者の年齢層は?

CBD製品の輸出入・販売業務を行っている「モリンダ ワールドワイド インク」社が、日本人の食用CBDオイルの使用状況について、食用CBDオイルを購入した25歳から72歳までの男女69人を対象にアンケート調査を行い、2021年6月に開催された第21回日本抗加齢医学会総会で発表しているので、その結果を見ていきましょう(https://www.atpress.ne.jp/news/264738)。

男女比は男性:12%、女性:88%と女性に大きく偏っています。年齢の割合は39歳以下が3%、40代が10%、50台が45%、60代が35%、70歳以上が6%という結果で、50代の女性が最も多い結果となっています。ちなみに摂取期間は一か月から二か月が最も多く(39%)、摂取頻度は毎日一回ずつ(42%)、摂取方法は舌下吸収(76%)が最も多いようです。

利用者が購入に際して期待した点としては睡眠の改善(45%)、次いでストレス対策(15%)が多く、期待に対する満足度はどちらも80%超の結果となっています。一方で、「体調によくない変化が起きたか」という質問には97%の方が「いいえ」と回答しています。

インターネットの検索動向から調べる

続いて、マーケティング分析ツール『Dockpit』を使用し、インターネットの検索動向から国内におけるCBDの関心の変化を調べた結果を見ていきましょう(https://manamina.valuesccg.com/articles/1454)。

まず、CBD検索ユーザー数の推移を調べると、2019年8月から2021年7月の間に2倍に増えており、国内で関心が高まっていることが分かります。また、CBD検索ユーザーの属性を調べると、男性:57.1%、女性:42.9%という割合で、年齢は20代~40代が最も多いという結果になっています。

「モリンダ ワールドワイド インク」の調査結果とは大きく異なりますが、実際に購入に至った層と、インターネットで検索する段階にある層の違いが現れているといえるでしょう。

次に「CBD」と掛け合わせで検索されているキーワードを分析すると、「効果」「オイル」「リキッド」「VAPE」「グミ」「おすすめ」などが上位にあり、「大麻」「違法」「危険」などのネガティブワードは上位に挙がっていないことが分かりました。性別ごとに見ると、男性は舌下に垂らすタイプや吸引タイプの製品、女性は肌に塗るタイプやサプリメントに興味を持っているようです。

そして「CBD」検索後の流入ページとして上位に挙がっているのはCBDの効果や安全性についての情報ページであり、CBD商品の販売ページよりも説明ページの方が上位であることから、CBDに対する関心はあるもののまだ購入には至っていない層が多いことが分かります。

CBDのこれから

以上、日本でのCBD使用に関する統計データを見ていきました。現状、CBD製品を実際に購入されているのは40代~50代女性が主ですが、インターネットでの検索動向を見るに、若者を中心に男女問わずCBD関心が高まっていることが分かりました。アメリカを中心に世界的に広まりつつあるCBD市場は、やがて日本でも拡大していくことが予想されます。